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2018年11月7日 職場訪問例会「イチエフ」

会長あいさつ                           会長 大出 隆秀
 皆さん、おはようございます。今日は、第2回の職場訪問例会に参加いただきましてありがとうございます。
 例年ですと、この時期にJRA福島競馬場に伺っておりましたが、今年度は、趣向を変えて、福島の将来を大きく変えることになった東日本大震災、原発事故を起こした東京電力の福島第1原子力発電所の現場視察を計画してみました。1日、どうぞよろしくお願いします。
東日本大震災は、平成23年3月11日、午後2時46分に発災しました。あれから、7年半近くが経過し、私たちが住む福島市近郊のインフラの復興や住宅地を中心とする除染については、進んでいるものの、森林や溜池などの区域の除染については、ほぼ手つかずの状態。さらに深刻なのは、福島産の農産物への風評被害が完全には払拭されていないことだと思います。
そして、事故を起こした福島第1原子力発電所については、時々、テレビ報道にもありますように、廃炉に向けた行程が、遅々として進まず、なおかつ、行き場を失いつつある膨大な量の汚染水の処理にも有効な解決策を見いだせていない状況かと思います。今日は、実際にこの原子力発電所の廃炉過程の現場を見ることにより、原子力発電、原子力政策の将来、そして、福島の未来を考える機会にしていきたいと思います。
原発事故後の第1原子力発電所の廃炉プロセスや今後の原子力政策等については、後ほど詳しく、専門家である東京電力関係者の方々や造詣の深い佐藤幹事からも、レクチャーがあると思います。私からは、今日お伺いする東京電力の財務面から、原発事故の影響を考えてみたいと思います。
ところで、皆さん、東京電力の今の株価をご存じでしょうか?
昨日(11月6日)の終値で576円、時価総額は9256億円でした。ちなみに、東日本大震災直前の株価は2153円、時価総額は3兆円を超えていました。また、最安値を付けたのは、震災翌年の1月4日、182円でした。
株価は、企業の財務内容、将来性、市場動向等、様々な要素で決定されるとはいえ、原発事故により、東京電力の市場での評価は、最大で震災前の約12分の1、下落後の価格は約8.5%にまで低下してしまいました。原発事故が、会社の財務にいかに大きなダメージを与えたかがわかります。
この点について、平成30年3月31日の公表されている東京電力の計算書類の財務内容を見てみますと、総資産が12兆5910億円、負債額が9兆9345億円、純資産が2兆6572億円となっています。さすが、日本で最大の電力会社の規模と思います。
さらに、もう少し中身を見ていきますと、固定資産としての原子力発電設備は、簿価ベースで8657億円、棚卸資産としての核燃料は、同じく簿価ベースで6603億円という巨額な数字となっています。表面上の原子力発電関係の資産だけでも2兆658億円、じつに総資産の16.4%に達しています。
もし、今、原子力発電を完全に放棄するとすれば、2兆円近い原子力関係の資産価値は、ゼロになり、さらに解体費用も必要となり、財政状態にはさらに大きなダメージが生じます。
単純化することは、あまり、適切ではないかもしれませんが、会計上、理論的には、東京電力が原子力発電を放棄した時点で、数字上は債務超過の状態に陥ると思われます。
今日は、こんな財務会計的な観点からも、原子力発電所の廃炉の必要性、今後の廃炉プロセス、を考えてみるのもおもしろいかもしれません。
今日は、終日の視察となりますが、今後の福島の復興を考えるいい機会だと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
お客様のご紹介                       副幹事補佐 亀岡 政雄
東日本・津波・原発事故大震災から7年7ヵ月
 バス移動時間を使って、車内で「移動教室」を行いました。
 佐藤幹事より、全国から福島視察に来られる方々にお伝えしている「福島の現状」について、資料に基づき報告があり、情報を共有化しました。
 小出しされる新聞報道や公表される情報を見たり、聞いたりはしているものの、全体像に結び付けるのは至難の業です。
 震災からの復興。何が進んで、何が進んでいないのか?
 県内空間放射線量の推移、避難の状況、子どもたちの避難の状況と健康問題、避難指示解除に伴う帰還の問題、避難指示解除区域の高齢化率の問題、県民健康調査、福島県の農産物や海産魚介類の安全性、風評問題などなど、福島の現状について報告がありました。

東京電力福島第一原子力発電所廃炉作業視察
 職場訪問例会第2弾として、今回は「東京電力福島第一原子力発電所」(以下「イチエフ」という)の廃炉作業の現場を訪問しました。12名の参加でした。
 福島駅西口を9:50に出発し、国道114号線、常磐道、国道6号線を通り、富岡町にある「東京電力旧エネルギー館」で、東京電力の視察者専用バスに乗り換え、帰還困難区域を通りながら、厳重なセキュリティーの中、イチエフの協力企業棟の会議室で映像を交えたレクチャーを受けました。
 東京電力ホールディング株式会社福島復興本社復興推進室の佐藤英俊様より、「福島復興本社の取り組みについて~福島復興への責任を果たすために~」という題目で、除染や、地域の見回り活動、清掃・片付けといった人的・技術的貢献活動、原子力損害賠償、風評払拭の取り組みなどについて、お話を聞き、次に視察コミュニケーショングループの粟村明彦様より、福島第一・第二原子力発電所の概要、3.11の津波の状況と設備の被害状況、現在の1~4号機の状況、廃炉作業の状況について、お話を聞き、その後、構内専用バスに乗り換え、車窓から、廃炉作業の様子を視察しました。
 
   
     
   佐藤 英俊様 栗村 明彦様
  
 構内には、たくさんのモニタリングポストがあり、空間線量がわかるようになっています。
線量は原子炉建屋に近づくにしたがい高くなり、当日視察したコースの中では、3号機の脇が257μSv/hと最も高い数値を示していました。(上記矢印)
視察後、質疑応答が行われ、参加者からは「トリチウムは除去できないのか?」「海洋放出して問題はないのか?」「凍土遮水壁は機能しているのか?」「雨水対策はしっかりされているのか?」「風評払拭の取り組みは個別対応できるのか?」「社員や関連会社の社員から放射能の影響について不安の声は出ていないのか?」「社員は廃炉に向けて一生懸命努力されているが上層部に対する不信感はないのか?」などの質問が寄せられ、丁寧に回答をいただきました。
 
 


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